東京備蓄ナビのリストは何日分?——住まいの種類で3日と7日に分かれます

東京備蓄ナビのリストは何日分?

東京都の「東京備蓄ナビ」で、うちに必要な備蓄を調べたことはありますか。3つの質問に答えると、水が何リットル、レトルトご飯が何食、と品目ごとの数量がずらりと並びます。

そこで一度、手が止まります。この水59Lは、何日分の59Lなのか。リストには品目と数量しか書かれていないので、多いのか少ないのかを判断する足場がありません。

戸建てなら3日分、マンションなど集合住宅なら7日分。2番目の質問で決まっています。

同じ家族でも、量が2倍以上ちがいます

実際に、住まいの種類だけを変えて両方出してみました。家族は大人2人と乳幼児1人、ペットなしでそろえてあります。

お住まいの種類 目安 レトルトご飯 携帯・簡易トイレ
戸建て 3日分 26L 18食 30回分
マンションなど集合住宅 7日分 59L 42食 70回分

家族構成は1文字も変えていません。変えたのは住まいの種類だけで、必要な量は2倍以上になります。

そして、この振り分けは質問の画面には書かれていません。2番目の画面に出るのは「お住まいの種類についてお答えください」という一文と、戸建て/マンションなど集合住宅の2つの選択肢だけです。日数が変わったことが分かるのは、リストが出たあとに結果ページの上へ「必要な備蓄の目安 7日分」と表示されてからになります。

日数が分からないまま戸建てのリストを見ると、3日分の数字が「わが家に必要な量」として残ります。数字そのものは正しいのですが、何日分の数字なのかが分からないと、足りているかどうかを自分で判断できません。

3日と7日は、どこから来た数字か

都は、備蓄の目標を2段構えで説明しています。

  • まずは3日分を目標に
  • 流通がすぐには戻らないことを踏まえ、1週間やその先も見据えて

ツールは、この2段の目標を住まいの種類で振り分けている形です。集合住宅のほうが長い理由は画面には書かれていないので、ここでは断定を避けます。

そのうえで押さえておきたいのは、この3日/7日が、お住まいの土地の事情を見ていない数字だということです。3つの質問で聞かれるのは家族構成と住まいの種類とペットの有無だけで、地域は聞かれません。

水害の場合、家から出られない日数は土地のほうで決まります。洪水浸水想定区域図には浸水継続時間という項目があり、区域によっては336時間——2週間——の階級があります。そこにお住まいなら、7日分でも半分です。探し方はハザードマップに「何日分いるか」は載っていないにまとめてあります。

3日と7日は出発点の目安。うちの日数は、うちの土地の事情が決めます。

リストは「目標の量」で、「いま何日分あるか」ではありません

もうひとつ、リストを見たあとに引っかかるところがあります。59Lは目標であって、押し入れに何本あるかは別の話だということです。

東京備蓄ナビには、そのための「備蓄状況チェックリスト」があります。品目ごとに数量と消費期限を入れると、充足状況がパーセントで出ます。前回との比較や期限の警告も付いていて、記録の道具としてよくできています。

そのうえで「備蓄スコア」を開くと、こう聞かれます。

  • いまご家庭にある備蓄品で、概ね何日間、生活できそうですか?

0から7までを選ぶ欄です。つまり日数のほうは、こちらが答える側になっています。品目ごとのパーセントは出ていても、そこから「うちは何日分か」という1つの数字に畳む作業は、読む人の手元に残ります。

パーセントを日数に畳むには、割り算3回で足ります

畳むのが難しく感じるのは、60を超える品目のパーセントをどう1つにまとめるかに、先に答えを決める必要があるからです。

平均してはいけません。水が10日分あっても主食が2日で尽きれば、その家は2日でもちません。いちばん早く尽きるものが、その家の日数です。

実際の計算は、リストの数字をそのまま使えます。目安の量は「1日ぶんの量 × 目安の日数」でできているので、日数で割り戻せば1日ぶんが出ます。さきほどの家族なら水59Lが7日分なので——

59L ÷ 7日 = 1日 8.4L。家に24Lあるなら 24 ÷ 8.4 ≒ 水は2.9日分

同じことを主食(42食 ÷ 7日 = 1日6食)と携帯・簡易トイレ(70回分 ÷ 7日 = 1日10回)でもやって、いちばん小さい数字を選べば終わりです。3つで足ります。品目を全部数える必要はありません。

数え方をもう少していねいに追いたい方は、うちは、あと何日分?——防災の日までの1週間で数える3ステップに、3人家族の例で最後まで書いてあります。

数えたあと、足すのは1つでいい

出た日数が思ったより小さくても、そこからやることは1つだけです。いちばん小さかった項目に足す。それ以外に足しても、家全体の日数は動きません。

水が2.9日分・主食が2.1日分なら、動かせるのは主食のほうです。レトルトご飯を1パック足すだけで、その家の日数は伸びます。水をもう1箱買っても、この家の日数は2.1日分のままです。

リストの数量を上から順にそろえていくと、量が多くて途中で止まります。日数で見ると、次に買うものが毎回1つに決まります。

出典

必要量の目安、および住まいの種類による3日分/7日分の振り分け: 東京備蓄ナビ(東京都総務局総合防災部防災戦略課)。本文の表の数値は、大人2人+乳幼児1人・ペットなしで実際に算出した結果です。

備蓄の目標(まずは3日分、1週間やその先も見据えて): 東京備蓄ナビ「備蓄って何のため?」

算出に用いた係数は東京備蓄ナビの公開データに基づきます(MIT License, Copyright (c) 2021 Tokyo Metropolitan Government and other contributors)。

最終確認日: 2026年9月7日

蔵太郎

蔵太郎のひとこと

「リストの数字が大きく見えても、大丈夫です。まず日数で割って1日ぶんにすると、うちがいま何日分なのかが見えてきますよ」

うちの必要量を計算してみる(かんたん診断)

ハザードマップに「何日分いるか」は載っていない——浸水継続時間の探し方

ハザードマップに「何日分いるか」は載っていない

ハザードマップを開いて、自分の家の色は確かめた。0.5〜3.0mの区域だった。——そこまでは、多くの方がされていると思います。

問題はその次です。で、うちは何日分そなえておけばいいのか。マップをどれだけ眺めても、そこは書いてありません。

色は「深さ」です。「日数」は別の数字で、別の地図に載っています。

マップの色が答えているのは「深さ」だけ

ここからは、実際に公開されているハザードマップで確かめていきます。例に使うのは横浜市港北区のものです。一級河川(鶴見川)の流域にある政令指定都市の区で、洪水・内水・高潮の3種類がそろって公開されている——多くの地域と同じ作りをしているためです。

洪水ハザードマップの色分けは、浸水の深さを表しています。港北区の凡例はこう書かれています。

  • 0.0〜0.5m未満 … おとなの膝まで浸かる深さ
  • 0.5〜3.0m未満 … 1階天井をこえて浸水する深さ
  • 3.0〜5.0m未満 … 2階部分まで浸水する深さ

浸水深と建物の階の対応。0.0〜0.5m未満はおとなの膝まで、0.5〜3.0m未満は1階天井をこえて、3.0〜5.0m未満は2階部分まで浸水する深さ。

階級の区切りは、家の構造に合わせて決められています。

これは「どこへ逃げるか」を決めるための数字です。備蓄の話でいえばどこに置くかには効きますが、何日分いるかには答えていません。

水が1階の天井まで来るとして、それが半日で引くのか、2週間残るのか。マップの色は、そこを区別していないからです。

日数を決めているのは「浸水継続時間」

その半日か2週間かを答えている数字が、別にあります。浸水継続時間といいます。

定義は「浸水深0.5mに達してから、その水深を下回るまでの時間」です。0.5mというのは、おとなの膝の高さ。国土交通省の資料には、浸水深が膝の高さ以上になると、ほとんどの人が避難困難だったと記されています。

浸水継続時間=家から出られない時間、そのもの

つまりこれは、水が引くまで買い物にも給水にも行けない日数です。備蓄が何日分いるかを決めているのは、深さではなくこちらのほうでした。

ところが、配られたマップには載っていません

ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。浸水継続時間は、お住まいの市区町村が配っているハザードマップには載っていないことがほとんどです。

さきほどの港北区の浸水ハザードマップは、4枚組で公開されています。洪水(河川氾濫)、内水、高潮、そして解説面。このどの凡例にも、浸水継続時間はありません。あるのは浸水深のめやすだけです。

これは横浜市の不備ではありません。市区町村のハザードマップは「どう逃げるか」を伝えるための資料で、浸水継続時間はもともと別の図として公表されているからです。

では、どこにあるのか

3つの入口があります。どれか1つ辿れば出てきます。

  • 河川管理者のウェブサイト。国が管理する川なら国土交通省の各河川事務所、県が管理する川なら都道府県。「◯◯川 洪水浸水想定区域図 浸水継続時間」で探せます
  • 浸水ナビ(国土地理院)。地点を指定すると、その場所の浸水深が時間とともにどう変わるかが出ます
  • ハザードマップポータルサイト(国土交通省)。「重ねるハザードマップ」でレイヤーとして見られます

その港北区を流れる鶴見川で辿ってみます。国土交通省京浜河川事務所が「鶴見川水系洪水浸水想定区域図(浸水継続時間)」を公開していて、凡例は次の5段階でした。

  • 12時間
  • 24時間(1日間)
  • 72時間(3日間)
  • 168時間(1週間)
  • 336時間(2週間)

色ではなく、はじめから日数で書かれています。備蓄の目標日数として、そのまま使える形です。

出てきた日数を、必要な量に変える

あとは掛け算です。よく使われる3つの階級について、実際の量を出しました。

浸水継続時間 大人2人 大人2人+小学生2人
72時間(3日間) 水18L/主食18食/簡易トイレ30回分 水33L/主食33食/簡易トイレ60回分
168時間(1週間) 水42L/主食42食/簡易トイレ70回分 水76L/主食76食/簡易トイレ140回分
336時間(2週間) 水84L/主食84食/簡易トイレ140回分 水152L/主食152食/簡易トイレ280回分

「まず3日分」という言葉をよく聞きます。あれは全国どこでも最低限これだけは、という下限であって、お住まいの場所の答えではありません。2週間の区域にお住まいなら、3日分は5分の1です。

「まず3日分」は全国共通の下限。うちの数字は、うちの浸水継続時間が決めます。

ただし、先に確かめてほしいことが2つあります

1つめ。浸水継続時間の図には注記がついています。支川の決壊による氾濫、想定を超える規模の降雨、高潮や内水による氾濫は考慮されていません。実際の浸水継続時間とは異なる場合がある、という前提で読んでください。

2つめが大切です。お住まいが「家屋倒壊等氾濫想定区域」に入っていないかを、先に見てください。これは堤防の決壊にともなう氾濫流や河岸侵食で、家そのものが倒壊・流出するおそれがある区域です。港北区のハザードマップの凡例には、こう書かれています。

  • 屋内での退避ではなく、早期の立ち退き避難が必要な区域

この区域では、何日分そなえたかは関係ありません。家に留まる前提が成り立たないからです。備蓄の日数を考えるのは、その区域の外にお住まいだと確かめてからにしてください。

順番はこうなります

  • 家屋倒壊等氾濫想定区域かどうかを見る(入っていれば、そもそも逃げる)
  • 浸水継続時間を調べる(市区町村のマップではなく、河川管理者か浸水ナビで)
  • 出てきた日数ぶんの量を用意する

マップの色を見て「怖いな」で終わってしまうのは、色が日数を答えてくれないからです。もう1枚めくれば、うちの数字が出てきます。

出典

浸水深の凡例・家屋倒壊等氾濫想定区域(河岸侵食)の説明: 横浜市「浸水ハザードマップ(港北区)」

浸水継続時間の凡例(12時間/24時間/72時間/168時間/336時間): 国土交通省 京浜河川事務所「鶴見川の洪水浸水想定区域図(浸水継続時間:想定最大規模)」

浸水深の階級が家の構造(1階の床高・2階の床下・2階の水没)に対応していること: 国土交通省「洪水浸水想定区域図作成マニュアル(第4版)」

浸水深と避難行動(膝の高さで避難が困難になる): 国土交通省「川の防災情報」

地点ごとの浸水深と時間の変化: 国土地理院「浸水ナビ」/各種ハザードマップ: 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」

必要量の目安(水3L・主食3食・簡易トイレ5回、いずれも1人1日あたり): 東京備蓄ナビ(東京都)のオープンデータに基づく(MIT License, Copyright (c) 2021 Tokyo Metropolitan Government and other contributors)

最終確認日: 2026年8月29日

蔵太郎

蔵太郎のひとこと

「調べるのは1回きりで大丈夫です。お住まいの川の名前で浸水継続時間が分かれば、あとは日数を入れるだけですよ」

うちの必要量を計算してみる(かんたん診断)

うちは、あと何日分?——防災の日までの1週間で数える3ステップ

うちは、あと何日分?

9月1日は防災の日です。1年のうちで、家族が備蓄の話にいちばん付き合ってくれる日かもしれません。

買い足す前に、まずやることがあります。いま家にあるもので、うちは何日もつのかを数えることです。

数えるのは3つだけ。水・主食・トイレ。いちばん小さい数字が、うちの日数です。

電卓もアプリも要りません。割り算を3回するだけです。順にやってみます。

ステップ1 水は「1人1日3L」で割る

まず、家にあるペットボトルの水を全部足して、リットルにします。2Lボトルが12本なら24Lです。

これを1日に必要な量で割ります。目安は次のとおりです。

  • 中学生以上・大人・高齢者 … 1日3L
  • 3歳〜小学6年生・乳幼児(0〜2歳) … 1日2.4L

この3Lは、飲む量ではありません。調理に使う水も、歯みがきや口すすぎの水も入った数字です。「そんなに飲まない」と感じるのはそのためで、減らして数えると足りなくなります。

大人2人と小学生1人の家なら、3 + 3 + 2.4 で1日8.4L。家に24Lあるなら——

24L ÷ 8.4L ≒ 水は 2.9日分

ステップ2 主食は「1人1日3食」で割る

次は主食です。レトルトご飯、パックの麺、乾麺、パンの缶詰。水と火をあまり使わずに食べられるものを、食数で数えます。

  • 中学生以上・大人・高齢者 … 1日3食
  • 3歳〜小学6年生 … 1日2.4食
  • 乳幼児(0〜2歳) … 0食(離乳食・ミルクを別に数えます)

さきほどと同じ家族なら、1日8.4食。レトルトご飯が18食あるとすると——

18食 ÷ 8.4食 ≒ 主食は 2.1日分

ここで「おかずは?」と思われたかもしれません。おかずも大事ですが、日数を決めるのは主食のほうです。おかずだけが何日分あっても、主食が尽きた日にごはんは終わります。まずは主食で数えてください。

ステップ3 トイレは「1人1日5回」で割る

最後がトイレです。簡易トイレ(便袋と凝固剤のセット)を、回数で数えます。

  • 3歳以上 … 1日5回
  • 乳幼児(0〜2歳) … 0回(おむつを別に備えます)

大人2人と小学生1人なら、5 + 5 + 5 で1日15回。45回分の箱がひとつあるなら——

45回分 ÷ 15回 = トイレは 3.0日分

ここが0だったご家庭も多いはずです。3日分以上のトイレを備えている世帯は27.2%で、水の69.8%・食料の59.8%と比べて突出して低いのが実情です。

いちばん小さい数字が、うちの日数です

3つ並べてみます。

  • 水 … 2.9日分
  • 主食 … 2.1日分
  • トイレ … 3.0日分

この家の答えは、平均の2.7日分ではありません。2.1日分です。

ひとつでも尽きたら、その日から在宅避難は続かない

水が10日分あっても、主食が2日で尽きればその家は2日でもちません。だから合計でも平均でもなく、いちばん少ないところが、うちのほんとうの日数になります。

平均で数えると「水だけたくさんある家」が安全に見えてしまいます。これがいちばん危ない勘違いです。

数えたあと、足すのは1つだけでいい

2.1日分と出ると、少なく感じるかもしれません。でも、ここからが本題です。

足すべき場所は、もう決まっています。いちばん小さかった項目です。この家なら主食です。

レトルトご飯を6食——スーパーで1パック買い足すくらいの量です——足すと、こうなります。

24食 ÷ 8.4食 ≒ 主食は 2.9日分。水と並びました

1パックで、家全体の日数が0.8日分伸びました。いちばん小さいところに足すときだけ、うちの日数は動きます。逆に言えば、水をもう1箱買っても、この家の日数は2.1日分のまま1ミリも変わりません。

備蓄が続かない理由の1位は「お金がかかる」(28.1%)です。全部を一度にそろえようとするから、そうなります。いちばん低いところに1つだけ。これなら今週の買い物のついでに終わります。

出典

備蓄率(水69.8%・食料59.8%・携帯/簡易トイレ27.2%): 内閣府「防災に関する世論調査」(令和7年8月調査)

備蓄しない理由の1位「お金がかかる」28.1%: ミドリ安全「2025年度 家庭の防災対策実態調査」

必要量の目安(水3L・主食3食・簡易トイレ5回、いずれも1人1日あたり): 東京備蓄ナビ(東京都)のオープンデータに基づく(MIT License, Copyright (c) 2021 Tokyo Metropolitan Government and other contributors)

最終確認日: 2026年8月25日

蔵太郎

蔵太郎のひとこと

「数えて少なくても、へこまなくて大丈夫です。いちばん小さかったところに1つ足すだけで、うちの日数は動きますよ」

うちの必要量を計算してみる(かんたん診断)

災害用トイレは何回分いるのか——備蓄でいちばん足りていないもの

災害用トイレは何回分いるのか

水と食料はそろえた。で、トイレは?

先に答えを書きます。災害用の簡易トイレは、1人1日5回で数えます。大人2人の家なら、3日分で30回分。7日分なら70回分です。

3日分以上の備蓄率 水 69.8% 食料 59.8% トイレ 27.2%

備蓄の項目のなかで、トイレだけが突出して抜けています(内閣府「防災に関する世論調査」2025年)。

水はあるのにトイレがない家が、実はいちばん多い。今日はその話です。

なぜトイレだけ抜けるのか

理由は単純で、想像しにくいからだと思います。

「水がないと困る」「食べるものがないと困る」は直感できます。飲む・食べるは毎日やっていることだからです。ところがトイレは、蛇口をひねるのと同じくらい当たり前に「流れるもの」なので、止まった状態をイメージする機会がありません。

でも、順番は逆です。

水や食料は、少しの間ならしのげる。トイレは半日も待てない。

発災の当日、最初に困るのはたいていトイレです。

断水すると、水洗トイレは流せません

停電でも断水でも、水洗トイレはそのままでは使えなくなります。

さらに注意したいのがマンションです。建物や配管が損傷している場合、手元に水があっても流してはいけないことがあります。排水管が壊れた状態で流すと、下の階への漏水につながるためです。点検が済むまで水洗トイレが使えない前提で考えると——

簡易トイレは、集合住宅ならなおさら要る備え

うちは何回分?——計算はかけ算1回です

必要数の目安は次のとおりです。

簡易トイレの必要数 = 5回 × 人数 × 日数
  • 大人2人・3日分 … 5 × 2 × 3 = 30回分
  • 大人2人・7日分 … 5 × 2 × 7 = 70回分
  • 大人3人・7日分 … 5 × 3 × 7 = 105回分

乳幼児(0〜2歳)は数に入れません。おむつを使うためで、そのぶんおむつとおしりふきを別に備えます。大人2人+乳幼児1人の家なら、簡易トイレは大人2人分の70回分(7日分の場合)+おむつ、という数え方になります。

「105回分」と聞くと多く感じますが、簡易トイレは便袋と凝固剤のセットで、パッケージは水や食料よりずっと小さくおさまります。置き場所の負担は、数字の印象ほど大きくありません。

朗報:トイレの備蓄は「一度そろえれば終わり」です

備蓄が続かない理由の1位は「お金がかかる」(28.1%、ミドリ安全2025年調査)ですが、トイレはこの点でいちばん楽な項目です。

  • 食べものと違って、日常で消費しながら回す必要がありません
  • 保存期限が長く、買い替えのサイクルがゆっくりです(購入時にパッケージの期限だけ確認を)
  • 好みも味もないので、選ぶのに悩む要素が少ない

つまり、水や食料のように「積み立てて維持する」のではなく、最初に一度そろえたら、あとはほぼ手がかかりません。

いちばん抜けている項目は、実はいちばん埋めやすい

まずは満点を目指さなくて大丈夫です。1人1日5回 × 3日分。大人2人なら30回分。ここが最初の一歩です。

出典

備蓄率(水69.8%・食料59.8%・携帯/簡易トイレ27.2%): 内閣府「防災に関する世論調査」(令和7年8月調査)

備蓄しない理由の1位「お金がかかる」28.1%: ミドリ安全「2025年度 家庭の防災対策実態調査」

必要量の目安(1人1日5回): 東京備蓄ナビ(東京都)のオープンデータに基づく(MIT License, Copyright (c) 2021 Tokyo Metropolitan Government and other contributors)

最終確認日: 2026年8月19日

蔵太郎

蔵太郎のひとこと

「水はあるのにトイレがない家、実はいちばん多いんです。まずは1人1日5回×3日分から」

うちの必要量を計算してみる(かんたん診断)