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マンションのトイレは、何回分いるのか——水が出ても流せない日を数える

マンションのトイレは、何回分いるのか

マンションに住んでいて、簡易トイレをいくつ用意すればいいか迷っている。そんな方に向けた記事です。

先に答えを書きます。数え方は戸建てと同じで、1人1日5回。違うのは、何日分で数えるかです。

簡易トイレ = 5回 × 人数 × 7日(マンションなど集合住宅の目安)

東京都の「東京備蓄ナビ」は、戸建てには3日分、マンションなど集合住宅には7日分を目安にしています。大人2人なら、戸建ての30回分に対して70回分です。

人数ごとの回数

人数(3歳以上) 3日分 7日分
1人 15回分 35回分
2人 30回分 70回分
3人 45回分 105回分
4人 60回分 140回分

東京備蓄ナビの目安(3歳以上で1人1日5回)から計算しています。0〜2歳の乳幼児は数に入れず、そのぶんはおむつで備えます。

表の回数は、使う日数でそのまま読めます。7日分の列がマンションの目安です。

マンションは、なぜ長く見ておくのか

東京備蓄ナビの画面には、集合住宅を7日分にしている理由は書かれていません。ここでは理由を推測せず、東京都の別の制度から、マンションで何が起きるかを見ておきます。

東京都には「東京とどまるマンション」という登録制度があります。停電しても、水の供給やエレベーターの運転に必要な最小限の電源を確保しているマンションなどを登録・公表するものです。

裏返すと、そうした電源のないマンションでは、停電すると水もエレベーターも止まるおそれがあるということです。外の水道管が無事でも、建物によっては、水を上の階へ送るポンプが電気で動いているためです。

停電は、すぐには戻らないかもしれません。国の首都直下地震の想定(2025年12月)では、首都圏の約半分(52%)の家で、被災から3日後まで停電が続くとされています。

水が出ても、流してはいけない日がある

マンションのトイレには、もうひとつ事情があります。

東京都は、地震のあとにマンションのトイレが使えなくなる場合があるとして、こう注意しています。上の階の人が排水管の損傷に気づかずにトイレを使うと、下の階で汚水があふれ出るおそれがある。

マンションのトイレは、断水が戻るまでではなく、排水管が確かめられるまで使えない

水が出るようになっても、管理組合や管理会社から使ってよいと案内があるまでは、簡易トイレで過ごすことになります。日数を長めに見ておく理由は、ここにもあります。

トイレを我慢しないことも大切です。東京備蓄ナビは、トイレを我慢するために食事や水を減らすと、体調を崩すことにつながると書いています。回数を削らずに、5回のまま数えてください。簡易トイレそのものの選び方や、トイレの備蓄がいちばん足りていない話は、災害用トイレは何回分いるのかにまとめています。

置き場所は、家の中に

エレベーターが止まると、地上の倉庫や車に置いた備蓄を取りに行くのは、階段を往復する仕事になります。7日分は、部屋の中に置いておくのが基本です。

簡易トイレは便袋と凝固剤のセットで、水や食料に比べるとずっとかさばりません。7日分を部屋の中に置いても、置き場所の負担は数字の印象ほど大きくありません。

水を給水所からもらってくるときも、階段で運ぶことになります。東京備蓄ナビは、リュックに大きめのポリ袋をかぶせて水を入れると、ポリタンクより楽に運べると紹介しています。集合住宅の上の階に住んでいる人に向いた方法です。

管理組合に聞いておきたいこと

マンションの事情は、建物ごとに違います。次の3つを、平時のうちに管理組合や管理会社へ確かめておくと、何日分を目安にすればいいかが見えてきます。

  • 停電したとき、水とエレベーターは使えるか(非常用の電源があるか)
  • 地震のあと、排水管を誰がどう確かめて、いつ「流してよい」と知らせるのか
  • マンションとして備えている簡易トイレや備蓄はあるか

マンションの共用の備えがあっても、各家庭のぶんは別に数えておくと安心です。まずは家族の人数に5回をかけて、3日分から積んでいきましょう。

出典

簡易トイレの目安(1人1日5回〔3歳以上〕)、戸建て3日分・マンションなど集合住宅7日分、トイレを我慢するために食事や水を減らすと健康状態の悪化につながること、リュックに大きめのポリ袋をかぶせて水を運ぶ方法: 東京備蓄ナビ(東京都)のオープンデータに基づく(MIT License, Copyright (c) 2021 Tokyo Metropolitan Government and other contributors)。表の数字は、この目安から防災備蓄アプリ「蔵太郎」の計算で出したものです。

「東京とどまるマンション」の仕組み(停電時でも水の供給やエレベーターの運転に必要な最小限の電源を確保するなど): 東京都「東京とどまるマンション」案内(PDF 776KB)

地震発生時にはマンションのトイレが使用できなくなる場合があること、上の階の居住者が排水管の損傷に気付かずにトイレを使用すると下の階で汚水があふれ出るおそれがあること: 東京都「災害時に備えてマンホールトイレの設置工事をしませんか?」(東京とどまるマンションマンホールトイレ整備促進事業、PDF 534KB)

停電率(被災直後〜被災3日後で52%): 中央防災会議 首都直下地震対策検討ワーキンググループ「都心南部直下地震の被害想定【定量的な被害量】」(令和7年12月19日)4.3 電力(PDF 3.8MB)/資料一覧ページ

最終確認日: 2026年10月15日

蔵太郎

蔵太郎のひとこと

「マンションでも、数え方は1人1日5回のままで大丈夫です。まずは3日分を部屋の中に。そこから7日分へ積んでいきましょう」

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